Make Fantasiality blog

ファンタジー世界をリアルに体験できるものを作っていきたい的なマインドでなんか作ります。

Little Witch Pie Delivery 東京ゲームショウverアップデート解説

Little Witch Pie Deliveryの東京ゲームショウ出展ですが、主に

・DK2の仕様でちゃんと遊べる内容にする必要がある
ゲームショウ出展ということで、並み居る本格インディーゲームと並べても
 受け入れてもらえるくらいの内容にする必要がある

ということを解決する必要がありました。
今回は、実際に実施した改修内容を解説いたします。

まずはプレイ動画を撮ってみたのでご確認ください。

(最近Windowsを導入して、こんな質の高いプレイ動画が撮れるようになりました・・ Windowsがこんなにクリエイターフレンドリーなマシンになってるなんて隔世の感があります)

 

いかがでしたでしょうか? 前バージョンとはかなり変わっているのがわかるかと思い割れます。それでは、それぞれ説明していきます。

 

1. オープンワールドから強制スクロールシューティングへのシステム変更

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DK2アップデートによりこのゲームが受ける一番の影響は、「ヘッドトラッキングの制約があるため、360度全方向には振り向けなくなる」ということでした。
Follow Orientation対象を箒にすることで、「360度全方向を向く」ということは可能になりますが、そうすると箒の回転にカメラの回転が引っ張られることになります。
もともとこのゲームは「頭の回転と箒の回転を分離する」ということで酔いをかなり軽減していたので、その方法は受け入れられませんでした。
また、そもそも全体的に見て、ゲームの内容として自由移動を活かしきれない(自由回転させるとケーブルがからまる・ゲーム目的が「時間までにパイを届ける」である以上ゴールは1つ、ルートも最短ルート推奨・体力を使うため時間のかかるゲーム設定にもしづらいなど)ということもわかってきていました。
移動範囲を限定することで描写が必要な範囲も単純にコースまわりのみになるので、作業コストを抑えられるというメリットもあります。

ということで、制約的にも、ゲームの性質的にも、オープンワールドではなくコースがある程度既定された強制スクロールシューティングの構造が合っている、という結論に至りました。

2. 後ろを向けない(向く必要のない)操作システムへの変更

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もともと、愚直に「箒の向いた方向に進む」という実装しかしていなかったのですが、
前方への強制移動になるということは「前方向は箒の向きに関わらず進む」ということになるので、上記の操作システムは使えないことになります。
なので、これを「箒の向きによってローカル座標上の上下左右の移動をする」という実装に切り替えました。
手書きスケッチでシミュレーションする限りはこれで大丈夫なはずだけど・・と心配しながらの実装切り替えでしたが、実際にプレイしてみたところ旧システムと何ら変わらない操作感だったため、これを採用しました。

3. ゴールを見つけて辿り着く→ゴールは意識しない、障害物だけ意識するゲームへの変更

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もともと、オープンワールドだった割には「ゴールを見つける/探しだす」という楽しみ方ができるような作りにはなっていなかったので、1.2.の施策は必然だったとも言えます。
上下左右の移動限界も設定し、一般的なシューティングやレースゲームと同じく「障害物や敵にぶつからないようにしながらゴールをめざす」というゲーム内容にすることができました。

4. ナビゲーションキャラの追加

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Oculusで1人称視点で空を飛ぶ、というゲーム内容の場合、一般的なシューティングと大きく違うところは「人間の限界を超えた動きをすると不快につながる」というところなので、なるべくゆるやかな移動で済むようにユーザを誘導できるとベターです。(要は、車と同じで急ハンドルをなるべくしないように誘導させる)
そこで、ナビゲーションキャラを導入してみました。
このキャラが先を飛んで障害物を避けていくのを見ることで、ユーザがなるべく障害物に早く気づいて避けることを促します。

5. チュートリアルシステムの追加

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なるべくなら説明不要のわかりやすいゲームにしたいですが、なかなかその境地には至らず。
とは言え全部口頭説明も説明員・ユーザ双方への負担が大きいので、ゲーム内でチュートリアルを表示できる仕組みを作りました。
まだ見づらいなどいくつか問題点はありますが、以前にくらべて口頭説明の量は明らかに減ったため、効果は大きかったと思います。

6. iPhoneセンサーからArduinoセンサーへの変更

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東京ゲームショウ会場はBluetooth回線もWifiと同様に混み合うため、大抵のプレイデモは有線コントローラーで行う、という噂を聞いており、さすがにゲームショウという大舞台で回線トラブル事故は怖かったので、今回は(今回から?)Arduino+ジャイロセンサをUSBで送るシステムに変更しました。
こちらは扇風機のデバイス作ってもらったデバイスの達人に再度お願いしたら精度高いのが上がってきまして、もうiPhoneに戻れない感じになりました・・
iPhoneよりコンパクトになり、回線の影響を何も考えなくてよくなったのはかなり大きかったです。

7. 超カワイイモデルへのアップデート

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モデラーへの道を爆進中のマツ氏にお願いして、主人公でありプレイヤーキャラのマヤちゃんのモデルを作ってもらいました。
正直思った以上の仕上がりで、「ちょっとこれどうしよう・・このゲームだけに使うのもったいなくないか・・」という気分です。

8. 超すごいメインビジュアルの新規作成

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こちらはゲーム内のグラフィックを担当してもらっていたグラフィッカー氏に新規作成してもらいました。
これも思った以上の仕上がりで、正直今のゲームの完成度はこのグラフィックに足りてないと思いました。頑張ります。

 

 

以上が東京ゲームショウ出展にあたってのLittle Witch Pie Deliveryの改修内容の全貌です。

このような形でより楽しめるようになったLittle Witch Pie Deliveryを、10/26に開催されるOcufes in デジタルコンテンツEXPOにてふたたび展示いたします。

 

2014年10月26日 OcuFes
場所:日本科学未来館 7F イノベーションホール


OcuFes開発者会、OcuFes DCExpo2014@日本科学未来館 - Oculus Festival in Japan

 

お友達とお誘い合わせの上、ぜひお越しください。